プレダック村
翌日は、アンコールワットのすぐ近くにあるプレダック村を訪れました。村の青年たちが、観光による村おこしに取り組んでいるところです。
朝8時、村からホテルまで、バンで迎えに来てくれました。私たちは総勢12人、およそ40分くらいで到着します。まずは村の市場の見学からです。
これはやっぱりお供えに使うのかなぁ。口に挟んでいるのはたぶん尻尾。これはとても栄養があるようで、以前いた中国の村では、一つ食べると一歳長生きするとかいってました。
たこやきみたいなもの。おいしかった、らしい。私が買ったのに、私までまわって来なかった。
これは天然木を杵で突いて粉にして線香を作っているところ。このおばあちゃんに歳を聞いたら、62歳といわれ、正直いってびっくり。ものすごく老けて見えたのです。連れ合いはクメール・ルージュに殺され、女手一つで3人の子どもを育ててきたそうです。実は、こういった年恰好の老人を見ることは、ほんとうにマレです。
カンボジアの米の細麺。水につけてふやかした米を、足踏み式の杵で突きます。
突いた米をしばらく布で包んでむらしてから、ところてん式の器具で細い面にして茹で上げます。2本の木の真ん中右寄りに器具があって、左側にお姉さんたちが乗って重みをかけると、下の煮立った鍋の中に細麺がちゅるちゅると出てきます。
茹で上がった麺を井戸の水でさらします。
その日のうちにすべて食べてしまうそうで、乾燥して保存することはないとか。小麦粉のような粘りがないから、多分切れてしまうんでしょうね。試食させてもらいましたが、メチャおいしくて、いくらでもつるつると喉を通ってしまいます。おかげで、すでに用意されていた昼ご飯を半分くらい断りました。
民家の出入り口にこんなカカシがちらほら。表札代わりなんでしょうか?
みんなに一番ウケたのがこれ。赤いテラコッタの農道を爆走します。
まわりはだいたいこんな風景。
お寺の本堂で、伝統芸能のアプサラダンスを練習している少女たちがいました。
夕食の後、村の子どもたちに手伝ってもらって、みなでランタンを飛ばしました。ライスペーパーで作った大きなランタンです。ランタンの中に火を付けた小さな籠のようなもの(小さいランタンならろうそく)を入れ、気球があたたまったところで、ひとりひとり願い事をかけて、一二三の合図で空に放ちます。ちょうど月のない夜で、みんなの願い事でふくらんだランタンは、煌めく星屑のかなたにゆっくりゆっくりと上がってゆきました。
*プレダック村のことは、【9月17日 一ノ瀬泰造の“墓”】でもアップしています。ちなみに、この時に、泰造の墓ではない、ということを書きましたが、今回訪れると、入り口の看板から、「墓」という文字が消えていました。誰か、私と同じことを言った人がいたんですね。