チュンエク キリングフィールド

プレダック村に行った翌日、再び Giant ibis に乗ってプノンペンに戻りました。シェムリアップに入ってプノンペンから出るフライトがいいのですが、今回は取れなかったそうです。もちろん高い切符ならあったでしょうが。

宿泊をトゥールスレンから歩いて5分のところに取りました。最後の2日間は生徒たちには精神的にハードな2日間になりますが、日本を出る前にいろいろ勉強会もしているらしいので、しっかりと自分の目で見て欲しいと思います。

チュンエク村まではトゥクトゥク3台で向かいました。往復で1台16ドル、中心部から15キロほど、20分くらいで着きます。中を見ている間は待っていてくれるので、待ち料金を考えれば本当に安いです。

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入り口で6ドルの入場料を払うと、日本語の音声ガイドを貸してくれます。これはとてもよくまとめられていて、それを聞きながら番号順に廻ってゆくと1時間半ほどかかります。

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ここはもともと中国人の集団墓地だったようで、私には見慣れた中国式の土饅頭形の墓が何か所かに見られました。この墓は、時間とともに削り取られて小さくなってゆくのですが、割合に大きかったので、あの当時も使われていたということでしょう。

ところどころに窪みが残っていますが、これらは、処刑された人々の遺体が数百単位で掘り起こされた痕です。

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施設の中にかなり大きな池があるのですが、池の底にはまだ大量の遺体が残っているそうです。慰霊塔の方にもう安置する場所がないために、あえて掘り起こすことなく、そのままの状態にしてあるそうです。ここを訪れるのは、西欧系の若い人たちが圧倒的に多いのですが、みな沈黙したままうつむいて池の周りを歩きます。ところどころにベンチがあるのですが、そこに座っている人たちも誰も口を開きません。私がここを訪れたのは3回目ですが、池の周りで人が語り合う声を聞いたことがないのです。

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この囲われた穴の中からも数百体の遺体が掘り出され、多くが女性だったようです。鎮魂の飾り紐がたくさん重ねられていました。私もワットプノンで結んでもらった吉祥糸をかけてきました。

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Killing Tree と呼ばれている恐ろしい木。この木の幹に幼子の頭を打ち付けて、右側の穴に放り込んだそうです。

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見えづらいですが、ガラスの下にある花びらのような入れ物が、カンボジアでは魂の還ってくる場所といわれる拠所です。線香が供えられ、前の机にはケーキとごはんが置いてあったのですが、さっそくのお客さんです。ずっと緊張をしいられる場所なので、動物たちの自然な姿を見て、むしろホッとしました。

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慰霊塔です。銃弾は高価なので使用されず、農具や工具などで虐殺されており、その痕跡の数々を見ていると、胸が締め付けられます。