田植え

ルート6を走っていたら、田植えをしている光景に出会い、さっそく車を停めてもらいました。この地方は現在は二期作が多いのですが、かつて三期作のところもあったらしく、また水がとれないので、一期作しかやれない、あるいは今はもう作っていない、という所もあります。

カンボジアの米はアジア地域ではおいしいという評判で、実際私自身、タイやベトナム、中国の米よりずっとおいしいと思います。冷たくなってからも粘りがあって、そのままで食べられます。もっとも私はいつも市場でいちばん高いジャスミンライスを買っています。ほのかな香りがします。もちろん日本とは違う長粒米です。

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道路わきすぐから田んぼが広がっていました。これはバッファローです。ロープで繋がれていましたが、怒ったらそんなものはすぐに引きちぎってしまうので、これ以上近づいたら危険です。ちょっとそんな雰囲気で睨まれてしまいました。

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こっちは牛さん。おとなしいですが、やっぱりあまり近づいちゃダメ。

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この区画は苗を作っているところで、その収穫作業をしていました。

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日本と比べると、ずいぶん大きくなってから植え替えるように思います。日本の苗はもっと短いですよね。いろいろ直接聞いてみたいことは山のようにありますが、常に言葉の問題がネックです。何か聞いたら快く答えてくれそうなおじさんでした。「ヒルがいるぞ~っ」と手に持って見せてくれましたが、こんな短パンで大丈夫なんでしょうか?

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向こうの方で田植えをしている人たちが見えたので、近づいてみました。実は、これがなかなか大変なのです。あぜ道が日本のように固くきっちりとしていないので、足元を見ながら慎重によろよろと近づきます。

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若い女性がふたり、黙々と稲を植えていました。この姿勢で何時間も労働することの辛さはいかばかりかと、この歳まで農作業の経験のない私は、思わず申し訳ないような気分になりました。

同行の友人から、「そんな聞きづらいことよく聞くね」といわれましたが、中国暮らしが長かったせいもあり、気になることは即知りたいタイプなので、同行のカンボジア人を介してすぐに聞いてみました。

朝6時から昼休みを挟んで日没までで、賃金はひとり5ドルだそうです。家族の年収はいくらくらいか聞いたのですが、具体的な数字はなく、食べるものは自給できるので、なんとか暮らしてはいけるそうです。

とにかくこの間、私はカンボジアでも最も豊かな部分しか見ていません。ルート6沿いの農家ならば、出稼ぎにも行きやすいでしょうし、農地の資産価値もあるものと思われます。しかし、もっと山の中、電気も通っていないような所にもたくさん人は住んでいるはず。そういう所で村人たちがどんな暮らしをしているのか、私は自分の目で見たいです。

 

 

 

コンポンクディの橋

ちょうど1週間前になりますが、サンボー・プレイ・クックに行ってきました。その途中、シェムリアップからプノンペンの方にルート6を走って1時間ほどすると、コンポンクディという村を通ります。この辺りにアンコール時代の橋の遺構がぽつぽつ残っていることは、以前から知っていました。バスの中からチラッと見えるからです。

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今回は車だったので途中下車してみました。何の説明版もないのですが、間違いなく古代の橋です。今も村人たちが普通に行き来しているようで、橋の向こう側には緑の田んぼが遥かに見渡せました。雨期にはこの橋桁の間を轟々と水が流れるはずです。

そのうちにセイハーが、この先にもっと大きなものがあったはずだというので、もう少し車を走らせてみました。

するとしばらく行った先に目立たない表示があって、ルート6から400mくらい入ったところに遺構が残っていると、イラスト入りで書いてあったのです。シェムリアップ方向からしか見えない看板です。

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それがこの橋です。ここには説明版があって、全長86m、道幅16m、川床からの高さが10mとありました。建造時期ははっきりしないけれど、バイヨン形式といわれる建て方から、1181年~1220年の間に建てられたものと考えられるそうです。

その後1925年にフランスによって、1965-67年に当時のカンボジア政府によって、6号線工事に伴って補修が行われています。22か所にあった遺構のうち、11か所はこの工事の時に破壊されたそうです。

ここに限らないのですが、遺跡、遺構の保存に関しては、なんだかとてもいい加減というか、それどころではなかったというか、技術も外国に頼らざるを得なかったでしょうし、今も乱雑に放置されているものがあちこちで目につきます。

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蛇の神様ナーガと欄干はその胴体です。昔は鱗が彫りこまれていたのでしょうね。この橋ももちろん生活道路として現在も使われています。

一緒に行った友人が、橋の幅がえらく広い道路だよね、といっていましたが、この道はかつて、クメールの王たちが、おそらくは象に乗って通ったのではないでしょうか?その威風堂々の絵巻をイメージしながら、テラコッタの赤い砂塵にまみれて、ゆっくりとコンポンクディの橋を渡ってみました。

 

 

makro スーパーマーケット

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日本資本の新しいスーパーがオープンしたよ、というので行ってきました。AEONがいよいよこの地にまで進出してきたのかと思ったのですが、名前が違います。セイハーは、テレビのニュースでいっていたから間違いないというのですが、一歩中に入ると、どうも雰囲気が違います。それで店員に聞いてみたら、タイ資本だということでした。

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ものすごく天井が高くて広々としたスペースに山盛りの商品でした。ひとつずつの小売りもやっていますが、なんていうか、レストランとか商売をやっている人向けみたいな感じで、大根も10本ほど、生姜も一袋2キロくらいのパック入りでした。

家電はほんの少々の扱いで、日本製は見られなくて、タイ製、韓国製のものが多いようでした。

雑貨品は、タイのおとくいとするところで、プラスチック製品と鍋・フライパン・食器の類が、これまた山積みで、在庫商品はフォークリフトで上の方に積み上げていました。

ビールも当然ケース売り、カンボジアよりタイのビールが多かったのですが、私はぐっとこらえて買いませんでした。せっかく控えようと思っているのに、こんなもの買っても1週間はもたないです。

(雑貨の写真撮り損ねました)

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凄かったのが魚売り場。日本のように、チマチマと切り身にして売る、というのはなくて、ど~んと1本売りです。表示されている値段は、キロあたりのリエルで、4000リエルで1ドルです。

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生け簀のアラスカキングクラブがキロ当たり135ドル。セイハーが持ち上げて、これは3キロくらいあるといっていましたが、5万円近くするということですね。ホテルか高級レストランが購入するのでしょうが、一般庶民の月収をはるかに超えています。

でも、セイハーはこんなことして足がちぎれたらどうするんでしょう?私、知らんぷりして逃げますよ。

このスーパーは中心部からはかなり離れていて、車で20分、ラッシュ時にはもっとかかります。アンコールワットに行く途中にあって車がないと行けないところです。やはり、ホテル・レストランがメインターゲットなのでしょう。もちろん個人のお客さんも多いと思います。車を持っている人はどんどん増えてきているのです。

私が普段よくいく、Angkor Market は街中にあって、ものすごく繁盛しています。ここは中華資本で、空港に行く途中なので、中国人の団体バスがひっきりなしに出入りして、土産物などを買ってゆきます。同時に、近隣に居住している外国人及び華僑系の客が日常的に利用していて、実はクメール人の姿というのはほんとうに少ないのです。1,2割といったところでしょうか?

ところが、昨日は、外国人の姿を見ることはありませんでした。また、いわゆる“業者”的な人ではなく、ごく普通のカンボジア人の姿がほとんどだったのです。私はこれにちょっと驚きました。プノンペンではなく、こんな田舎町のシェムリアップでも、観光産業という特殊性はあるものの、これだけの購買力があるのかと。

もちろん、農村部とは比べるべくもなく、私がこれまで見て来たカンボジアというのも、そのもっとも豊かな部分だけです。1人当たりGDPでいうなら、日本の1/20以下で、しかも電気代も水道代も家電製品も車も日本より高く、日本の100均ショップで売られている商品がそのまま2倍で売られているこの国。

私たち普通の外国人は見ることができない世界で、農民たちはどんな暮らしをしているのか?確実に豊かになってきている都市部の人たちとの格差は一方的に広がっているだけなのか?山積みの商品の陰で思いを巡らせたスーパーマーケット巡りではありました。

 




 

網を打つひとートンレサップ川

プノン・クロムの麓に広がるチョンクニアに、また行ってきました。

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先回行った時には、土台のボートだけだったのですが、工事は順調に進んでいるようでした。小学校の校舎になります。

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こんなポリタンクも家の土台にするんでしょうね。この村のほとんどがフローティングハウスになっています。

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トンレサップ川で網を打っている人の姿が両岸に何人か。見ていると、ゴミを拾ってくることも多かったですね。小さな魚で大した収穫ではなさそうでしたが、それでもひとつの家族の食卓を満たすには充分なのでしょう。

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いつ行っても変化がある、プノン・クロムの上から見るこの風景が、私は大好きです。この緑の田んぼは、3月末から4月に刈り取られるそうです。

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頂上にはお寺がありますが、参拝客の姿を見たことはありません。ネコと犬はいます。

 

おすすめの TEMPLE COFFEE

カンボジアはとてもカフェの多いところです。あまり知られていないのですが、モンドルキリ、パイリンというコーヒー豆の産地もあります。特に世界の観光客を擁するシェムリアップでは、ハッとするようなオシャレな店から、露天にプラスチック椅子を並べただけのものまで、至る所カフェだらけです。

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特に TEMPLE COFFEE はこの街でも有名で、私も以前2回ほどコーヒーを飲んだことがあります。広い店内の片隅に無造作に置かれたアンティックがなかなかの凝りようで、ゆったりとしたソファーに身を沈めてぼんやり物思いなどにふけるにはいいところです。

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今回、友人とセイハーと3人で入ったのですが、1階の椅子席が空いてなくて、2階へ案内されました。初めての2階です。

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そしたら、2階は椅子席ではなく、すべてベッド式になっていて、

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こんな感じでまったりできるのです。

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なつかしのベスパも置いてありました。どっから手に入れたんでしょうね?

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ドリンク類の種類もとても多いのですが、食事メニューがレストラン並みに豊富で、味も良かったです。上の写真はクロコダイルの炒めもの、下は焼ソーメンです。いずれも4ドルくらいで、ローカル食堂とあまり変わらない値段です。1等地にこれだけのスペースをとってこの値段というのは、日本では考えられないです。今回はここで2時間ほどゴロリと寝そべって、心身共にゆったりできました。

場所は、オールドマーケットからシェムリアップ川を渡って、北へ200mほど。若い人に聞けばだいたい誰でも知っていると思います。ぜひともお2階へどうぞ!



 

 

ビザ切れサイゴン

月に一度の“海外旅行”もいい加減イヤになっていますが、今回もまたビザ切れサイゴンです。

日本からやってくる友人とホーチミンで合流することになっていて、19日にシェムリアップ空港を発ちました。15時間くらいかかるバスは、さすがにしんどくなったのです。

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今は1年で一番過ごしやすい、観光シーズンのピークで、たくさんの旅行客で賑わっていました。ホーチミンまでは1時間ちょっとです。

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コロニアル建築で有名なマジェスティックホテル。1925年に華僑資本の手で建築されたそうです。ここのロビーのステンドグラスがとてもきれいで、私はサイゴンに来ると、“ひと休み”する為に訪れます。ベトナム戦争時代に駐在していた開高健もここにいたそうで、彼の写真が飾ってある控室のような部屋も、フロントの隣にあります。おととし、知り合いがここに泊ったので、部屋の中も見せてもらいましたが、さすがに格調高い調度品の数々でした。日本人が泊まりたがるのもなるほどです。

以前、クアラルンプールでも、マジェスティックホテルというのを見ましたが、ここも華僑資本と聞いたので、元々同系列なんでしょうか?こちらは、新館と旧館と別れていて、旧館の方は絵に描いたようなコロニアルな“白亜の殿堂”でした。

もちろん、私がお勧めするのはマジェスティックホテルでのご宿泊ではありません。今回友人と一緒だったので、たまには贅沢なところで、とコーヒーを飲むことにしました。1階のカフェで聞いてみると、そこはアフタヌーンティー専門になっているので、コーヒーだけなら8階へどうぞ、といわれたのです。

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いわれるままにエレベーターで上がってみると、そこには大きなオープンカフェがあって、目の下にサイゴン川の光景がなだらかに広がっていたのです。この日はちょうど曇り空で、きつい日差しもなく、心地よい風が吹きわたり、実に快適な時間を過ごすことができました。昼間だったのでお客さんも数組だけで、オープンなのでタバコも吸い放題。私もたまにはこういう贅沢をしなければ、と心に誓ったものでした。

ちなみに、コーヒーもビールもジュース類も、1杯1000円ほど。ウイスキーやワインなどは高級品を揃えていました。ここは夜こそ泊り客などで賑わうところだと思います。

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今回はベトナム初訪問の友人と一緒だったので、ホーチミンで3泊し、翌朝、バスでカンボジアに向かいました。ホーチミンから国境までは普通は2時間ほどで着くのですが、ものすごい渋滞で、なかなか車が進みません。国境までは一直線で、大型トラックが目立ちます。

途中、こんなふうに事故ってましたね、どうりで。

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ベトナムのイミグレーション。

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この、紅白のバーが設置されていることろが、ベトナムとカンボジアの国境です。

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カンボジアのイミグレーション。

ここから同じバスに再度乗って、プノンペンまで3時間ほど。国境越えには通関業務などがあるので、およそ7時間ほどがかかります。ド派手な喧噪の街サイゴンから、急に田舎っぽくなるプノンペンチャムカーモン(トゥールスレンがある地区)に到着し、しみじみ自分の家に帰って来たような気になりました。

 

 

 

Karaoke Road

世の中いいことばかりではないのが常です。まったく。

マンゴーハウスを契約したのは5日でした。それまで住んでいたアパートも、すでに家賃は払ってあったので、何回かに分けて、ぼちぼちと片付けながら、最後に引っ越したのが14日でした。それまで何度も行ってはせっせと掃除に励んでいたのですが、泊ったことはありませんでした。

最初に泊ったのが14日です。それがもうびっくり仰天、涙がこぼれそうになりました。100mくらい離れたところにカラオケがあるのはわかっていましたが、なんと、1軒だけではなかったのです。私の部屋をはさんでL字型の道路に、少なくとも5,6軒はあるようで、大家の娘さんがいうには、このあたりは Karaoke Road と呼ばれているとか。

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カラオケという場所は、日本で行ったこともなく、私も軽く考えていたのですが、こちらのカラオケはオープンスペースで営業するので、外部に響き渡るその音量たるや、凄まじいものがあるのです。セイハーもこちらに長いのだから、それくらいのことはわかっていたはずなのに、自分はこの程度なら気にならない、マミィー(彼は私のことをこう呼ぶ。以前はばあちゃんと呼んでいたけど、さすがにそれは止めさせた。ちなみに彼の母親は私より10歳以上若い)は年寄りだから気になるのでしょう、と平然とのたまうのです。

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寝るときにクーラーをつけたままで平気な人は、窓を閉め切ってクーラーをつければその音でカラオケの音はかき消されてしまうのですが、私は扇風機すら苦手で、夜は窓を開け放ち、蚊帳を吊って寝るのが私流なのです。

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その上、私は深夜に枕元で針一本落ちる音でも目を覚ますくらい、特別に音に敏感な人間なので、若い頃から、これはもう耐え続ける自信がありません。この先毎日のことですから。しかし、この住所ですでに商務省に登録を申請していて、それを変更するのは大変なことです。それに2年契約で、お金もそれなりに支払っています。今さらどうしようもありません。

ということで、初日の夜から相当に落ち込んでいるのですが、とにかく当分の間はここで何とかしのぐしかありません。窓に貼る防音資材をまずは探すことにします。プノンペンにまで行けば何かありそうです。なければ、日本に帰った時に少しずつ持ち運びます。

昼間はほんとうに静かなところです。近所に空き地が多く、古の森の姿をよく残している大樹の木陰もたくさんあります。すぐ隣は小さな畑で、バナナやマンゴーが茂っています。ときどき野鳥のさえずりも聞こえ、そして犬がワラワラいます。少々辺鄙ですが、そこそこの高級住宅街で、1軒の敷地がとても広い豪邸が並んでいるため、みな番犬として複数匹飼っているのです。2軒隣のお宅は5匹ほど飼っています。

でも、もともとペット犬じゃないから、私が通りかかるだけで、ものすごく吠えるのです。可愛げがありません。こちらからちょっと威嚇の態度をとると、いっせいに尻尾下げて逃げて行きますが。

ということで、憧れだったマンゴーハウスは前途多難の船出となりましたが、なんの、これしき。これまでひとりで越えてきた艱難辛苦をつれづれ思い起こしつつ、対抗策を考えているところです。

 

 

マンゴーツリー ハウス

カンボジアに住もうと思い始めた当初から、いつかマンゴーツリーがある家に住みたいなぁと思っていました。しかし、まさかこんなに早く、それが実現するとは思ってもいませんでした。

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旅行業登録をするのには、まず事務所が必要で、それが決まらないと登録ができません。しかし、そもそも“我が社”には独立した事務所などは必要ないので、住居と一体化した物件を探していました。こちらでは、不動産屋というのは、土地やマンションの売買だけのようで、賃貸の場合、一般的には建物の前に「FOR RENT」という貼り紙がしてあるのを見つけて、直接大家さんに連絡をとるやり方のようです。セイハーもすでに私の意図を知っているので、しばらく前に、マンゴーハウスが見つかったよといって、バイクで連れていってくれました。中心部からやや離れていますが、シェムリアップ川畔まで歩ける距離です。

1軒の建物が3つに分かれていて、左端に大家さんが住んでいます。真ん中には中国人の家族が住んでいるようです。

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その右端の部屋が空いていて、なんと、その前には、マンゴーツリーがあるのです。ここの大家さんの所有です。

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これがマンゴーの花です。当事者以外、誰もわからないですよね。ほんとうに地味な花です。

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なぜか、すでに実を付けている株が3つほどありました。カンボジアのマンゴーは、私たちが高級フルーツショップで時々目にする20センチくらいもある大きなマンゴーとは別品種で、10センチくらいと小ぶりです。味の方は遜色はないと思いますが、タイやフィリピンの物と比べると、やや糖度が落ちるかもしれません。しかし、プランテーション農業で育てられた立派なマンゴーより、オーガニックであることは間違いありません。なんだか“勝手になってる”マンゴーがほとんどだそうです。

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これが1階の事務所スペース。事務所はいらないけれど、宴会でも会議でもなんでもできそうな広々としたスペースです。

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1階に一つ、2階に3つベッドルームがあって、それぞれにシャワー・トイレルームもついています。Panasonic のクーラーも完備。2階にもリビングがあって、ベランダもとても広いです。まるで、ゲストハウスをやってください、といわんばかりの造りなのです。

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キッチンも広々、冷蔵庫とプロパンガスも購入しました。自炊体制は万全です。これからはしっかりと食事をとって、体調管理をきちんとしないといけません。これまではつい面倒で、ビールとばりばりお菓子系のものばかりかじってましたから、体力が衰えるのは当然です。

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2階のベランダから。実はこの向かいの家も同じ大家さんのものらしく、なんでそんなに金持ちなんだろうと思ったら、彼はかなり上級の公務員だったようで、この部屋の玄関扉の上に、フンセンと一緒に写った写真が何枚か飾ってありました。そのうち外したいね、とセイハーとも言っているのですが、まあしばらくはそのままで。

で、商務省の方には登録を済ませたところです。旅行業登録はなかなか大変で、現在プノンペンに回っている申請書の審査があって、その後に観光省、税務省へも登録しなければなりません。そもそも公文書はクメール語だし、まったく手も足も出ないので、専門業者の方に代行をお願いしてありますので、ひたすらぼんやりと待つだけです。

その間に、ウチのマンゴーが実をつけて少しずつ少しずつ大きくなってゆくのを、2階のベランダからゆっくり眺めてゆくことにしましょう。